無料ではじめる
記事一覧へ
目標設定 書き方目標設定 例文目標管理シート 書き方

目標設定の書き方と例文 — 目標管理シート(MBO)の個人目標を測れる形にする手順と職種別の例

📄 キャリア・評価

良い目標とは、期末に「達成したかどうか」を上司と同じ物差しで判断できる目標です。期首に書いた目標管理シートは、半年後の自己評価と評価面談の土台になります。
あいまいな目標を測れる形に直す手順と、職種別の例をまとめます。

測れる目標にする5つの要素
職種別の例文
読了目安 12分

📋 目次

  1. なぜ目標設定でつまずくのか
  2. 測れる目標にする5つの要素
  3. あいまいな目標を書き換える手順
  4. 定量目標と定性目標の書き方
  5. 職種別の目標例
  6. 組織目標から個人目標へブレイクダウンする
  7. 期中に目標が変わったとき
  8. 目標の数とウェイトの決め方
  9. 目標を書いた後のチェックリスト

PART 1

なぜ目標設定でつまずくのか

目標管理シートの個人目標を書く時期になると、「何を書けばよいか分からない」「毎年同じような目標になってしまう」と悩む人は少なくありません。目標設定でつまずく原因は、主に次の3つです。

つまずきよくある目標何が問題か
あいまい業務の効率化を図る何をどこまでやれば達成なのか分からない
業務の説明になっている経費精算業務を担当する担当するのは当たり前で、成果が何か分からない
自分では動かせない会社の売上を伸ばす自分の行動と結果のつながりが見えない

目標があいまいなまま期が始まると、期末に「達成したかどうか」を判断する基準がなく、上司と部下で認識がずれます。目標設定は、期末の評価を公平にするための最初の準備です。

💡 目標は「期末の答え合わせ」から逆算する

目標を書くときは、「期末にこの目標の達成を、どんな事実で示すか」を先に考えます。示す事実が思い浮かばない目標は、まだ測れる形になっていません。

目標管理制度(MBO)の中での目標設定

目標管理制度(MBO)では、会社や部署の目標を受けて社員一人ひとりが個人目標を立て、期首面談で上司と合意します。期中は中間面談や1on1で進み具合を確かめ、期末には目標ごとの達成度を自己評価し、上司の一次評価・二次評価を経て評価が決まる、という流れが一般的です。

目標の達成度は業績評価の中心になり、その結果が賞与や昇給、昇格の判断材料の一つになることが多いものの、反映のしかたは会社ごとに異なります。いずれにしても、期首に書いた目標の質が、期末の評価の納得感を左右するという点はどの会社でも変わりません。

PART 2

測れる目標にする5つの要素

あいまいな目標を測れる形にするには、次の5つの要素が入っているかを確認します。すべてを一文に入れる必要はありませんが、目標シートのどこかで分かるようにします。

要素問いかけ例
何を対象となる業務や成果物は何か受注入力の手順書
どこまで完了した状態、または達成の水準は何か主要業務5つすべてについて完成させる
いつまでに期限はいつか9月末までに
どう測るか達成を何で確認するかチームの共有フォルダに公開し、新人が単独で作業できる
なぜこの目標で何を良くしたいのか業務が特定の人に依存している状態をなくすため

✍️ 5つの要素を入れた目標の例

業務が特定の担当者に依存している状態をなくすため、9月末までに受注入力の主要業務5つすべての手順書を作成し、共有フォルダに公開する。新しく配属された人が手順書を見ながら単独で作業できることを達成の基準とする。

⚠️ 要素を詰め込みすぎない

一つの目標にいくつもの成果を入れると、一部だけ達成したときに評価が難しくなります。一つの目標には一つの成果を書き、複数ある場合は目標を分けます。

SMARTの法則との対応

目標設定の研修や解説では、SMARTの法則(Specific:具体的、Measurable:測定できる、Achievable:達成できる、Relevant:組織の目標と関連している、Time-bound:期限がある)がよく紹介されます。5つの要素は、SMARTを目標管理シートに書きやすい問いに置き換えたものです。

SMART対応する要素確認の問い
Specific(具体的)何を・どこまで対象と完了の状態が一読で分かるか
Measurable(測定できる)どう測るか期末に何で達成を確認するか決まっているか
Achievable(達成できる)どこまで自分の行動で届く水準か、背伸びの度合いは上司と合意しているか
Relevant(関連している)なぜ部署やチームの目標とつながっているか
Time-bound(期限がある)いつまでに期末より前の区切りも含めて期限があるか

PART 3

あいまいな目標を書き換える手順

最初からきれいな目標を書く必要はありません。まずは思いついたままの目標を書き、次の手順で測れる形に直していきます。

1

思いついたまま書く

「業務を効率化する」「顧客満足度を上げる」など、最初はあいまいでも構いません。

2

「具体的には?」と3回問う

「効率化とは具体的に何か」→「どの業務か」→「何がどうなれば効率化したと言えるか」と問いを重ねます。

3

完了の状態を決める

期末にどうなっていれば達成かを、目に見える状態で書きます。

4

期限と測り方を決める

いつまでに、何で確認するかを決めます。

5

上司とすり合わせる

書いた目標を上司に見せ、期待とずれていないか、達成の基準が同じかを確認します。

書き換え前→後

書き換え前書き換え後
業務の効率化を図る。月末の請求書発行の手順を見直し、12月末までに発行作業を締め日の翌営業日中に終えられる状態にする。
顧客満足度を向上させる。問い合わせへの一次回答を当日中に返す体制を作るため、6月末までに回答テンプレートを整備し、チーム全員が使える状態にする。
後輩を育成する。新人2名が、9月末までに受注入力と在庫確認を単独で行えるようにする。月1回、理解度をチェックリストで確認する。
スキルアップする。表計算のデータ集計の方法を学び、上期中に毎月の売上集計を手作業から関数を使った集計に切り替える。

PART 4

定量目標と定性目標の書き方

目標には、数字で測れる定量目標と、数字で測りにくい定性目標があります。どちらが良い悪いではなく、仕事の内容に合わせて使い分けます。

定量目標

定量目標は、件数、期限、回数、割合など、数字で達成を確認できる目標です。書くときは、目標の数字の根拠(前期の実績、チームの目標からの割り当てなど)を上司とすり合わせておくことが大切です。

✍️ 定量目標の例

新規契約を年間12件獲得する(前期実績9件、チーム目標からの割り当て)。

月次決算の締め作業を、毎月第3営業日までに完了させる。

お客様向けの説明会を、上期中に3回開催する。

定性目標

定性目標は、仕組みづくり、品質の改善、人材育成など、数字にしにくい目標です。定性目標で大切なのは、完了の状態を具体的に書くことです。「〜を推進する」「〜に努める」で終わらせず、期末に何ができていれば達成かを書きます。

あいまいな定性目標完了の状態を書いた定性目標
情報共有を推進する。チーム内の案件の進み具合を誰でも見られるよう、7月末までに共有の一覧表を作り、週1回更新する運用を定着させる。
品質の向上に努める。出荷前検査のチェック項目を見直し、上期中に新しいチェックリストを全ラインで使い始める。
部署間の連携を強化する。営業部と月1回の情報共有会を設け、在庫の見通しを毎月共有する場を作る。

💡 定性目標にも「確認の方法」を

定性目標でも、「チェックリストで確認する」「関係者から意見を聞く」「運用が続いているかを月1回見る」など、確認の方法を決めておくと、期末の評価で迷いません。

PART 5

職種別の目標例

以下は職種ごとの目標の例です。数字や期限はすべて書き方の例なので、自分の仕事や会社の目標に合わせて置き換えてください。

営業職

  • 既存顧客からの追加受注を増やすため、担当顧客全社への定期訪問を月1回以上行い、上期中に追加受注を5件獲得する。
  • 失注理由を分析するため、失注した案件の理由を毎月一覧にまとめ、四半期ごとにチーム会議で共有する。

事務・管理部門

  • 経費精算の差し戻しを減らすため、6月末までに申請の注意点を社内ページにまとめ、申請画面からリンクする。
  • 入社手続きの漏れをなくすため、上期中に入社前の案内から初日の手続きまでのチェックリストを作り、すべての入社者に使う。

エンジニア・技術職

  • 担当機能の改修を予定どおり完了させるため、9月末のリリースに向けて、月ごとの中間目標を設定し、進み具合を週次で共有する。
  • 障害対応の属人化をなくすため、上期中に主要な障害の対応手順書を作り、チーム全員が一次対応できる状態にする。

販売・接客・サービス職

  • 店舗の売上目標を達成するため、来店客への声かけの手順をスタッフ全員で統一し、月1回振り返りの時間を設ける。
  • お客様の待ち時間を短くするため、混雑時のレジ応援の合図と担当を決め、7月から運用を始める。

企画・マーケティング職

  • 新商品の認知を広げるため、上期中にキャンペーンを2回実施し、それぞれの結果を報告書にまとめる。
  • 営業部が使う提案資料の型を統一し、6月末までに主要商品の資料を新しい型に切り替える。

PART 6

組織目標から個人目標へブレイクダウンする

個人目標は、会社や部署、チームの目標とつながっていることが大切です。上位の目標を自分の担当に落とし込むことを、よく「ブレイクダウン」と言います。つながりが見えないと、上司は「なぜこの目標なのか」を判断できず、期末の評価でも重みづけが難しくなります。

1

チームの目標を確認する

上司や部署から示されている今期の目標や方針を確認します。分からない場合は、目標を書く前に上司に聞きます。

2

自分の担当で貢献できる部分を探す

チームの目標の中で、自分の担当業務が関わる部分を探します。

3

個人目標に落とす

その部分について、自分が期末までに何を達成するかを書きます。

4

つながりを一言書く

目標シートの「目的」や「背景」の欄に、チームの目標とのつながりを一言書きます。

✍️ チームの目標から個人目標へ

チームの目標: お客様からの問い合わせへの対応を早くする

自分の担当: 問い合わせの一次対応

個人目標: 6月末までに、よくある問い合わせ30件の回答テンプレートを作り、チーム全員が使える状態にする。

つながり: 一次回答の時間を短くし、チームの目標である対応の迅速化に貢献する。

PART 7

期中に目標が変わったとき

期の途中で、組織の変更、担当業務の変更、会社の方針転換などにより、期初に立てた目標が合わなくなることがあります。そのまま放っておくと、期末に「達成できなかった目標」として評価されてしまう恐れがあります。

目標が変わったときにやること

☐ 目標が合わなくなった理由と時期を、事実として書き出した

☐ できるだけ早く上司に相談し、目標を見直すかどうかを確認した

☐ 見直す場合、新しい目標を5つの要素(何を・どこまで・いつまでに・どう測るか・なぜ)で書いた

☐ 変更の内容と合意した日付を、メールや目標シートに記録した

☐ 元の目標に対して、変更までに進めた分の成果も記録した

✍️ 目標変更を相談するメールの例

〇月の組織変更により、私の担当が受注入力から在庫管理に変わりました。期初に設定した「受注入力の手順書5つの作成」は、2つ完成した時点で担当を離れています。

つきましては、残りの期間の目標を「在庫管理の主要業務の手順書3つを12月末までに作成する」に変更させていただけないでしょうか。一度ご相談のお時間をいただけますと幸いです。

⚠️ 期末になってから言わない

目標が合わなくなったことを期末になってから伝えると、「なぜもっと早く相談しなかったのか」と受け取られることがあります。変化があった時点で相談し、記録を残しておくことが大切です。

PART 8

目標の数とウェイトの決め方

目標管理シートでは、複数の目標にウェイト(比重)を割り振ることがよくあります。ウェイトは、期末の評価で「どの目標の結果をどれだけ重く見るか」を決めるものなので、目標の中身と同じくらい大切です。

1

目標を重要度順に並べる

チームの目標への影響が大きい順、上司の期待が大きい順に並べます。

2

一番重要な目標に最も大きなウェイトを置く

例えば目標が4つなら、40%・30%・20%・10%のように差をつけます。すべて同じウェイトにすると、何を優先すべきかが分からなくなります。

3

日常業務と改善の目標のバランスを見る

担当業務を確実にこなす目標と、仕組みづくりや挑戦の目標の両方が入っているかを確認します。

4

上司とすり合わせる

ウェイトの配分を上司に見せ、期待とずれていないかを確認します。

目標ウェイトの例種類
担当エリアの売上目標の達成40%日常業務の成果
新規顧客の開拓(上期中に5社)30%挑戦
提案資料の型の統一20%仕組みづくり
新人1名の同行指導10%育成

ウェイトの数字は書き方の例です。配分の決まりは会社によって異なります。

ウェイトとは別に、目標ごとの難易度を上司と決める様式もあります。難易度の高い目標は、達成度が同じでも評価で重く見られる仕組みです。難易度の欄がある場合は、なぜその難易度なのかを目標シートの備考に一言書いておくと、期末に評価者が代わっても判断がぶれません。

PART 9

目標を書いた後のチェックリスト

目標を書き終えたら、上司に提出する前に、次の項目を確認します。

☐ 期末に「達成したかどうか」を、上司と同じ物差しで判断できる

☐ 何を・どこまで・いつまでに・どう測るかが分かる

☐ 業務の説明ではなく、成果(状態の変化)が書かれている

☐ 自分の行動で達成に近づける内容になっている

☐ チームや部署の目標とのつながりが説明できる

☐ 一つの目標に一つの成果が書かれている

☐ 目標の数が多すぎない(3〜5つ程度)

目標は、立てたら終わりではありません。月に一度、自分の目標を読み返し、進み具合を確認することで、期末に慌てることがなくなります。日々の仕事を記録しておくと、その記録がどの目標に関わるかが見え、期末の自己評価もそのまま書けるようになります。

よくある質問

Q. 目標はいくつ立てればよいですか?

会社の様式に決まりがなければ、3〜5つ程度が目安です。多すぎると一つひとつに力を注げず、期末の評価も難しくなります。重要度に差がある場合は、ウェイト(比重)を上司と相談して決めます。

Q. 数字にできない仕事の目標はどう書けばよいですか?

定性目標として、完了の状態を具体的に書きます。「手順書を作り、新人が単独で作業できる状態にする」「月1回の情報共有会を始め、継続する」のように、期末に目で見て確認できる状態を目標にします。

Q. 高い目標と、確実に達成できる目標のどちらが良いですか?

会社の評価制度によって扱いが異なります。目標の難しさを評価に反映する会社もあれば、達成率を重視する会社もあります。上司と目標の難しさについて認識を合わせ、目標シートに難しさの理由を書いておくと安心です。

Q. 毎年同じような目標になってしまいます。

前期の評価面談で受けた期待や改善点を、今期の目標に反映させると、目標が自然に変わっていきます。また、同じ業務でも「担当する」から「仕組みを作る」「他の人に教える」へと、求める水準を上げることで、成長が見える目標になります。

Q. 上司から与えられた目標に納得できない場合はどうすればよいですか?

目標のどの部分に納得できないのか(水準、期限、内容など)を整理し、理由を添えて上司に相談します。自分で動かせない要素が大きい場合は、それを具体的に伝えたうえで、自分の行動で達成できる形に調整できないかを提案します。

Q. SMARTの法則に全部当てはめないといけませんか?

すべてを一文に詰め込む必要はありません。目標管理シートの目標欄・達成基準欄・期限欄などに分けて書かれていれば十分です。特に定性目標では、Measurable(測定できる)を数字ではなく「完了の状態」で決めておくことが大切です。

Q. 目標の達成度は、どのように記録しておけばよいですか?

月に一度、目標ごとの進み具合と、その根拠となる事実(完成した資料、件数、関係者の声など)をメモしておきます。日々の仕事の記録があれば、それを目標ごとに振り分けるだけで、期末の自己評価の材料になります。

この記事は一般的な情報をまとめたものです。評価の様式・基準・運用は会社によって異なるため、社内の規程とあわせてご確認ください。

PLAN2FOLIO

評価・面談・転職で使える根拠を、今日の一行から

その日やったことを一行書くだけで、職務の成果ごとに整理されます。金曜日には週報の下書き、評価の時期には成果ごとの根拠がまとまります。無料で始められます。

無料で始める →

📄 キャリア・評価

あわせて読みたい

自己評価の書き方と例文 → 数字で表せない成果の書き方 → 評価面談の準備チェックリスト →